みなさまこんばんは。SOMELL事業部です。
さて、今回の案件は「ヒカリモノ」。
ここ数年、年間を通して定番になっている仕上げ方法です。
ヒカリモノとは「光り物」。要は、メタリックやパール、グリッターや箔押しなど、輝きを放つ仕上げ方法
を総称してそう呼んでいます。
「今年もヒカリモノにアンチックにエナメルだね。」なんて言ったりします。
逆にスウェードやヌバックなど起毛されている革は、表面が毛羽立っている事から「ケバモノ」と総称
したりします。まあ、完全に業界用語だと思いますが・・・。
今回の仕上げはピッグスキンを使います。
ベースコートを終えたところ。黒に見えますが、実際には黒に近いダークブラウンです。
クロムなめしの豚革は、ダキ(脇の下や後ろ足の付け根部分)が良く伸びるので、伸長率の高い、
ソフトなベースコートを調合します。今回のトップコートはラッカーフィニッシュですので、トップコートの
溶剤がベースコートを侵し過ぎることが無いよう、耐溶剤性のある樹脂もブレンドしています。
「ギラギラし過ぎはNG」とのことでしたので、軽目にあっさりと。ベースコートの色が透ける程度にパー
ルを乗せてみました。わかりにくいですが、ゴールド・シルバー・ブロンズのMIXになっています。
その後、アイロンでツヤと面を出して完成です。
豚革には、独特の毛穴模様があります。
機能面では、銀面(表皮)が強く、摩擦・摩耗性能が優れています。
毛穴が大きいので吸湿性が良く、銀面が強いので、蒸れたり、脱いだり履いたりを繰り返す靴の裏革
(シューライニング)として、古くから使用されています。
古くからライニングとして使用されてきた歴史上、日本では他の革に比べ価値が低く見られがちです
が、ヨーロッパではスーパーブランドがバッグの表面として採用するなど、高級素材として相応の認知
度があります。
また、日本が自給できる唯一の国産原皮でもあります。