みなさまこんにちは。SOMELL事業部です。
さて、今回の案件は・・・・古くからお付き合いのある皮革卸販売の会社の社長様から。
ご依頼先の社長様との会話の一部始終です。
以下 SOMELL(SO) 社長(社長)
社長) 「インポート物のダークブラウンのパイソンの色をちょっと濃くしてもらいたいんだけど・・・
ちょっと見本より薄いんで ・・・。」
SO) 「テストしてみますよ。上手く染まるかどうか拝見させてください。」
社長) 「早速送ります。いつも助かります。」
という会話を電話でした後、送られてきました。
こちらです。
「・・・ちょっと色が薄い・・・」どころではなく完全に別の色。社長、ヤってしまいましたねっ!
革の形状・なめし方・釘張りの仕方・染色の方法から判断してピンときました。早速社長に電話。
SO) 「これ〇〇〇(某東南アジアのタンナー)の革でしょ?」
社長) 「えっ?・・・・・・・・わかるの?ねぇ何でわかるの?」
SO) 「わかる。ちなみにFOBプライスもね。(笑)向こうの染色ミスなんだから返品しなよ。あそこの
革、いつも こうなんだから 。」
社長) 「そうなんだけど、今回はお客様への納期が間に合わない・・・。なんとかお願い!」
・・・・と いうわけで再染色してみました。
3メートルUPの大きなパイソンで、非常に扱いにくく、染めにくい革でしたが何とか無事に先方へと納品されていきました。
実はこんな事、インポート物は日常茶飯事です。特に珍しい事でもありません。
現地へ買い付けに行って価格とクオリティーの打ち合わせだけして、「じゃ、後は頼むよ。」で帰国。
荷物が届いて箱を開けると大抵このパターンが多いです。
確かに革は安いですけど、返品するのにまた船便手配して時間かけて送り返して、新たに送られて
来る革も色が合っている保証はない。そんな時間的余裕(納期)も無い。TTかL/Cでの決済でしょうか
ら現実的には返金 も無理でしょう。
日本人同士の「これくらいでOK」という感覚と、 外国の方の「これくらいでOK」という感覚は、それぞ
れの国 によって異なります。至極当前の事ですが。
日本人の感覚のまま海外のタンナーと直接取引をすれば、「色ブレ」や「ロットブレ」の確率は、国内
調達に比べ格段に大きく、不良品リスクが高まります。それと引き換えに「安さ」を手に入れます。
「価格」「クオリティー」「調達地」「取引条件」何を重視し、何を選択するかはお客様のご意思です。
リスクヘッジの方法もありますが・・・ここに書くことでもないので、また別の機会に。